事業の内容
抜粋表示
/ 原文長 約7740文字
3【事業の内容】 1.事業環境 (1)当社が研究開発を手掛ける抗体医薬品 ヒトには、体内に侵入した細菌やウイルス等のタンパク質を異物(抗原)として認識し、その異物を攻撃、排除するために、体内で抗体というタンパク質を作る能力(抗原抗体反応)が備わっています。これは免疫と言われる身体を守る防御システムの一つです。こうして体内で作られた抗体は、特定の抗原にのみ結合する性質を持っており、正常な細胞とがん細胞を見分けたり、病気の原因となるタンパク質の機能を抑えたりすることができます。この抗体というタンパク質を医薬品として体の外から投与するものが抗体医薬品です。従来の低分子医薬品では、正常な細胞にも作用することで副作用を引き起こすこともありますが、抗体医薬品は、疾患に関連する細胞だけが持っている抗原をピンポイントで狙い撃ちするため、高い治療効果と安全性が期待されております。 現在、世界で承認されている抗体医薬は100品目を超えており、がんや自己免疫疾患の領域では目覚ましい治療効果をもたらしたものもあります。しかしながら、膵臓がん、肺がん、アルツハイマー病、糖尿病合併症、筋萎縮性側索硬化症(ALS)等、未だに治療満足度、薬剤貢献度が低い疾患が残されており、また、既存の抗体治療薬よりも優れた抗体に対するニーズも存在します。当社は、自社の技術プラットフォームを初めとする抗体・タンパク質周辺技術を最大限に活用して、そのようなアンメットニーズ(*)の高い分野に対する抗体創薬に取り組んでおります。 <抗原抗体反応> (2)抗体医薬品市場 抗体医薬品は、がんや自己免疫疾患等を中心に医療の現場で処方されており、近年の全世界医療用医薬品の市場においては抗体薬品を中心とするバイオ医薬品処方箋薬のシェアは3割を超え、売上高の上位100品目の半数以上を占めるまでになっております。また、抗体薬物複合体(ADC(*))やバイスペシフィック抗体(*)に代表される多価抗体などの次世代型抗体については、従来よりも有用性を高めた医薬品としての開発が進められ販売されるに至っており、今後も抗体医薬品市場の一層の拡大が期待されております。(出典:Evaluate World Preview 2022) 2.当社のビジネスモデル (1)経営理念 当社は、「医療のアンメットニーズに創薬の光を」というミッションのもと、「アンメットニーズに対する抗体医薬の開発候補品を生み出すNo.1ベンチャー企業を目指す」という経営ビジョンを掲げ、アンメットニーズの高い疾患領域に対する抗体創薬と創薬支援を事業の基本として、成長性と安定性を兼備した経営を目指しております。…
経営方針・経営戦略・対処すべき課題
抜粋表示
/ 原文長 約4565文字
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針 当社は創業以来、当社独自の抗体作製技術であるADLib®システムの技術開発、ならびに抗体医薬品の創製にむけた研究開発を行ってまいりました。現在、当社では抗体作製に関する複数の技術を保有し、これまでの製薬企業やアカデミア等との協業を通じて培ってきた抗体創薬に関わる周辺の技術や知識も蓄積しております。これらを活かし、アンメットニーズの高い疾患に対する抗体創薬の新規創製を進めるとともに、自社の臨床開発機能を活かし画期的な新薬の初期臨床開発、ならびに製薬企業等のパートナー企業の様々な研究開発ニーズに対して自社知識経験・技術に基づく解決法を提供するなど、新たな治療薬創出に注力する経営を進めております。 複数の抗体作製技術を用いることでリード抗体取得の可能性を高め、有効な治療法がない重篤な疾患や、薬剤による治療満足度が低い疾患を中心に「医療のアンメットニーズに創薬の光を」あてる研究開発を強く推進し、人類の健康に貢献をしてまいります。 (2)経営環境 「第1 企業の概況 3 事業の内容 1.事業環境」に記載しております。 (3)目標とする経営指標 創薬事業においては、医療用医薬品の開発候補品となるリード抗体を創出し、臨床開発を目的として製薬企業に導出することで収益を得るビジネスに取り組んでおります。当社が保有する開発候補品の収益性向上や導出確度の向上を鑑み、前臨床試験(*)段階、または、初期臨床試験を実施した後の導出を目指しております。一般的には臨床開発を行い、医療用医薬品として承認に至る可能性が高まることによって、導出時に得られる収益性が高くなります。しかしながら、臨床開発に入った抗体医薬品候補が承認に至るまでの成功確率は一般的に10~20%程度と言われているため、1つの開発品目だけに当社の事業や将来の収益の可能性を依存することは経営上の様々なリスクが大きくなります。従いまして、当社は研究開発の各段階において、複数の開発品目を保有することで事業全体の成功確度を高めることを目標に掲げております。現在、当社では臨床段階のプログラムとしてCBA-1205とCBA-1535の2つの開発品目を有しております。両プログラムとも抗体の安全性及び初期の有効性の評価を行ったのちに、製薬会社等への導出することを目標としております。特にCBA-1205についてはこれまでの臨床試験等の状況から、適応症拡大の可能性および導出時に製品価値向上にむけた臨床開発を進めており、製薬会社等へ導出時の契約一時金や開発マイルストーン等の経済条件の最大化にむけた取り組みを進めております。…
対処すべき課題
抜粋表示
/ 原文長 約4565文字
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針 当社は創業以来、当社独自の抗体作製技術であるADLib®システムの技術開発、ならびに抗体医薬品の創製にむけた研究開発を行ってまいりました。現在、当社では抗体作製に関する複数の技術を保有し、これまでの製薬企業やアカデミア等との協業を通じて培ってきた抗体創薬に関わる周辺の技術や知識も蓄積しております。これらを活かし、アンメットニーズの高い疾患に対する抗体創薬の新規創製を進めるとともに、自社の臨床開発機能を活かし画期的な新薬の初期臨床開発、ならびに製薬企業等のパートナー企業の様々な研究開発ニーズに対して自社知識経験・技術に基づく解決法を提供するなど、新たな治療薬創出に注力する経営を進めております。 複数の抗体作製技術を用いることでリード抗体取得の可能性を高め、有効な治療法がない重篤な疾患や、薬剤による治療満足度が低い疾患を中心に「医療のアンメットニーズに創薬の光を」あてる研究開発を強く推進し、人類の健康に貢献をしてまいります。 (2)経営環境 「第1 企業の概況 3 事業の内容 1.事業環境」に記載しております。 (3)目標とする経営指標 創薬事業においては、医療用医薬品の開発候補品となるリード抗体を創出し、臨床開発を目的として製薬企業に導出することで収益を得るビジネスに取り組んでおります。当社が保有する開発候補品の収益性向上や導出確度の向上を鑑み、前臨床試験(*)段階、または、初期臨床試験を実施した後の導出を目指しております。一般的には臨床開発を行い、医療用医薬品として承認に至る可能性が高まることによって、導出時に得られる収益性が高くなります。しかしながら、臨床開発に入った抗体医薬品候補が承認に至るまでの成功確率は一般的に10~20%程度と言われているため、1つの開発品目だけに当社の事業や将来の収益の可能性を依存することは経営上の様々なリスクが大きくなります。従いまして、当社は研究開発の各段階において、複数の開発品目を保有することで事業全体の成功確度を高めることを目標に掲げております。現在、当社では臨床段階のプログラムとしてCBA-1205とCBA-1535の2つの開発品目を有しております。両プログラムとも抗体の安全性及び初期の有効性の評価を行ったのちに、製薬会社等への導出することを目標としております。特にCBA-1205についてはこれまでの臨床試験等の状況から、適応症拡大の可能性および導出時に製品価値向上にむけた臨床開発を進めており、製薬会社等へ導出時の契約一時金や開発マイルストーン等の経済条件の最大化にむけた取り組みを進めております。…
経営成績・財政状態の概況
抜粋表示
/ 原文長 約14380文字
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績等の状況の概要 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ①財政状態及び経営成績の状況 当事業年度における国内外の経済環境は、国内においてはインバウンド需要の増加や賃上げによる雇用環境の改善継続が見られるなど経済環境の緩やかな回復が見られた一方、ウクライナや中東情勢など地政学的リスクの継続、資源や原材料価格の値上がり、円安の継続など、依然として先行き不透明な状況が続いております。こうした外部環境の中、当事業年度における当社業績につきましては、売上高780,809千円(前期比98,345千円増加)、研究開発費936,737千円(前期比115,167千円減少)、営業損失は1,030,869千円(前事業年度は1,205,168千円の営業損失)、経常損失は1,019,210千円(前事業年度は1,217,240千円の経常損失)、当期純損失は1,020,776千円(前事業年度は1,220,018千円の当期純損失)となりました。売上高につきましては、創薬支援事業での既存顧客内における組織変更等の影響が継続したこと等により取引が減少いたしましたが、創薬事業においてライセンス契約締結に伴う一時金が発生したことから、前期に比べ当事業年度は増収となりました。また、研究開発費では主に治験薬製造費用等の計上額が前期よりも減少したことで、営業損失、経常損失及び当期純損失ではともに前期比で赤字幅の縮小となりました。 当事業年度における当社の事業活動の概況は次のとおりです。 創薬事業においては、当社のヒト化抗CX3CR1抗体であるPFKRについて、2024年11月に旭化成ファーマとの間で、ライセンス契約を締結いたしました。これにより当社は、旭化成ファーマに全世界におけるPFKRの独占的な開発、製造及び販売権をサブライセンス権付で許諾しております。なお、本契約締結により受領した契約一時金(2億円)については、当事業年度において売上として計上しております。自社開発中のがん治療用抗体CBA-1205およびCBA-1535は臨床第1相試験を進めており、CBA-1205においては、肝細胞がん患者さんを対象として本剤の安全性と初期の有効性を確認する後半パートが進行しております。前半パートでメラノーマ患者さんにおいて42ヶ月を超える継続投与が続いていることを受け、本剤のメラノーマへの適応可能性を検討するために後半パートにメラノーマ患者さんを対象とする群を設定し、患者さん登録を進めております。これにより本剤の導出時の製品価値を高めることを期待し、開発期間を延長することを決定いたしました。…
セグメント関連
抜粋表示
/ 原文長 約1297文字
3.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の金額に関する情報及び収益の分解情報 前事業年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) (単位:千円) 報告セグメント 合計 調整額 (注1) 財務諸表計上額(注2) 創薬事業 創薬支援事業 売上高 一時点で移転される財又はサービス 205,783 205,783 205,783 一定の期間にわたり移転される財又はサービス 476,681 476,681 476,681 顧客との契約から生じる収益 682,464 682,464 682,464 外部顧客への売上高 682,464 682,464 682,464 セグメント間の内部売上高又は振替高 682,464 682,464 682,464 セグメント利益又は損失(△) △ 1,051,904 398,595 △ 653,309 △ 551,859 △ 1,205,168 セグメント資産 1,751,454 1,751,454 (注)1.調整額は以下のとおりです。 (1)セグメント利益又は損失の調整額は、研究部門以外で発生する販売費及び一般管理費であります。 (2)セグメント資産は、当社の事業が複数の抗体作製技術をベースとして、全ての資産が一体となってキャッシュ・フローを生成していることから、各報告セグメントへの配分を行っておりません。従って、調整額には貸借対照表の資産合計金額を記載しております。 2.セグメント利益又は損失は損益計算書の営業損失と調整しております。 当事業年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) (単位:千円) 報告セグメント 合計 調整額 (注1) 財務諸表計上額(注2) 創薬事業 創薬支援事業 売上高 一時点で移転される財又はサービス 202,952 164,763 367,716 367,716 一定の期間にわたり移転される財又はサービス 413,093 413,093 413,093 顧客との契約から生じる収益 202,952 577,857 780,809 780,809 外部顧客への売上高 202,952 577,857 780,809 780,809 セグメント間の内部売上高又は振替高 202,952 577,857 780,809 780,809 セグメント利益又は損失(△) △ 813,784 309,899 △ 503,885 △ 526,984 △ 1,030,869 セグメント資産 2,468,857 2,468,857 (注)1.調整額は以下のとおりです。 (1)セグメント利益又は損失の調整額は、研究部門以外で発生する販売費及び一般管理費であります。…