事業の内容
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3 【事業の内容】 (1) 概要(背景) 当社は、難治性疾患、すなわち「症例数が少なく、原因不明で、治療法が確立しておらず、生活面への長期にわたる支障がある疾患」に対する治療薬の研究開発を目指す大学発バイオベンチャーとして設立されました。 設立後、中村敏一氏(当時:大阪大学大学院医学系研究科教授)の発見したHGF(Hepatocyte Growth Factor:肝細胞増殖因子)タンパク質を開発パイプライン * として導入し、組換えDNA技術 * を応用したタンパク質(以下、「組換えタンパク質」という。)の製造法の確立、非臨床試験 * の実施を経て、欧米及び日本における臨床試験 * を複数実施いたしました。 その結果、組換えヒトHGFタンパク質の医薬品としての安全性を確認し、脊髄損傷急性期を対象とする臨床試験においては有効性を示唆する結果、すなわちPOC * (Proof Of Concept)を得ることができました。 従来の創薬バイオベンチャーの戦略としては、ここまでの研究成果を導出して製薬企業に開発・製造販売を委ねるのが常ですが、当社は組換えヒトHGFタンパク質を医薬品として確実に社会に提供することを第一の使命と考え、自社で開発を続け、医薬品の製造販売承認を得る方針で事業を進めております。 <図1 当社の企業理念> (2) 事業モデル 当社が想定している事業モデルを図2に示します。当社は対象疾患や提携先に応じてA、B、Cを組み合わせたハイブリッド型の事業モデルを志向しております。 その中でも、臨床試験の成果をより確実に医薬品として社会実装するため、自社での医薬品製造販売承認申請を行うことを基本方針とします。当社の臨床段階のパイプラインについては、脊髄損傷急性期と声帯瘢痕はAとBのハイブリッド(自社開発と販売提携)、ALSと急性腎障害はBによる事業化を目指しております。また、クラリス・バイオセラピューティクス社への原薬供給はCに該当します。 <図2:当社の事業モデル> また、開発については一般的な新薬開発プロセスに従って実施する必要がありますが、難治性疾患に対する治療薬の開発を実現するために以下に示すようなプロセスを実施しております。 ① 基礎研究 * 医薬品の候補となるシーズ * 探索は長期の研究期間が必要である上に、この段階で候補が見つかっても医薬品として成功する確率は非常に低いことがわかっております。当社では、基礎研究として、組換えヒトHGFタンパク質の新規適応症の探索及び新規候補品の探索を行っておりますが、大学との共同研究において専門的な知識を活用することにより、成功確率を高めるよう基礎研究を進めております。 ② 非臨床試験・製造 非臨床試験や製造については、開発業務受託機関、製造受託機関等の専門技術を活用することにより、迅速に進めております。…
経営方針・経営戦略・対処すべき課題
抽出本文
/ 原文長 約1084文字
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社が判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針 当社は、「難治性疾患治療薬の研究開発を行い、難病に苦しむ患者さんに対して画期的な治療手段を提供し社会に貢献すること」を企業理念とし、組換えヒトHGFタンパク質の研究開発によって創薬イノベーションを起こすことが事業機会の創出・獲得につながると考え、組換えヒトHGFタンパク質プロジェクトに経営資源を集中し、事業展開をしております。 希少疾患を主な対象疾患とし、臨床試験の成果をより確実に医薬品として社会実装するため、自社開発により自社で医薬品製造販売承認を取得することを基本方針としております。 (2) 会社を取り巻く経営環境 製薬業界におきましては、高齢化に伴う医療費の増大に対応してジェネリック医薬品による代替が進むとともに、薬価改定期間が短縮され、高額医薬品の薬価が著しく低下しております。また、臨床試験の大規模化等に起因する新薬開発のためのコスト増大により、国内外での製薬企業の合従連衡が進みM&Aによる企業規模が拡大するとともに、自社創薬開発において重点領域の絞込みが行われており、社外から開発品目を導入する動きも活発化しております。 一方、新薬開発については、対象患者が多く、将来安定した多額の収益が得られるいわゆるブロックバスター医薬品から、特定の患者群に効果的な治療が行える医薬品の開発に移行しており、経営資源が特定分野に集中し、短期に意思決定が行われる創薬ベンチャーがその中心的役割を担うと言われております。これに対応すべく、政府は、厚生労働省や経済産業省の中央省庁を中心に、日本発の創薬を積極的に支援するため、特に、創薬ベンチャー支援の取り組みとして、医療系ベンチャー・トータルサポート事業(MEDISO)の開始や「伊藤レポート2.0 バイオメディカル産業版」の作成がなされております。また、日本国内での創薬を促進するため、医薬品の条件付き早期承認制度や先駆的医薬品指定制度が法制化されました。 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社は創薬バイオベンチャーとして当社開発品の実用化に向けて、研究開発を促進しておりますが、継続的な売上を計上する段階には至っておりません。したがって経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の設定はしておりません。 しかしながら、開発の進捗を経営目標とし、その達成状況を今後の利益計上に至るまでの会社経営の指標と考えております。
対処すべき課題
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/ 原文長 約1465文字
(4) 対処すべき課題 当社は、創薬バイオベンチャーとして、難治性疾患を対象とした組換えヒトHGFタンパク質の研究開発を行い、医薬品として実用化すべく事業を推進しております。 一方で医薬品としての事業化は、製品化までに多額の資金と長い時間を要する等の特性があり、当社は継続的な営業損失の発生及び営業キャッシュ・フローのマイナスを計上している状況にあり、すべての開発投資を補うに足る収益は生じておりません。 このような事業環境下、当社は、以下の点を対処すべき課題として取り組んでおります。 ① 進行パイプラインの開発の促進 当社は、国内臨床パイプラインとして難治性神経疾患である脊髄損傷急性期及びALSならびに声帯瘢痕の治療薬の開発を行っております。脊髄損傷急性期については第Ⅲ相試験を開始しており、実施医療機関及び関連医療機関との連携のもと試験の早期完了を実現する計画であります。ALSについては医師主導治験であるため、当社の対応は限られておりますが、その範囲内において、臨床試験が早急に完了するようサポートを行い、試験完了後は早期に医薬品としての実用化を目指して取り組んでいきます。声帯瘢痕については、現在、次相試験のデザインを協議中でありますが、同時に治験実施費用の調達を目的とした各種公的補助金申請及び提携候補先の探索を継続してまいります。 ② 新たなパイプラインの開発 当社は前述の3件のパイプラインのほか、米国において急性腎障害の第Ⅰa、Ⅰb相の臨床試験を実施しております。現在、資金的観点から当該疾患に対する開発を一旦中止しておりますが、資金的余裕が出た段階で再開する計画であります。また、多様な生物活性を持つHGFではその他多くの治療の論文が公表されており、今後の企業価値最大化の観点から、これらに対する医薬品を開発するパイプラインを立ち上げることを考えております。 また、組換えヒトHGFタンパク質の臨床試験を複数実施した当社の知見から、新たなバイオ医薬品の開発等、難治性疾患のQOL(Quality of Life:生活の質)の向上のためのパイプライン開発を行ってまいります。 ③ 原薬の量産供給体制の確立 当社は現在、前述の4件の臨床パイプラインを開発中でありますが、これらのすべてが治療薬として実用化された場合、HGF原薬供給の量産体制を強化する必要があります。また、 当社以外でも組換えヒトHGFタンパク質を用いた治療薬の開発が行われており、当該他社にHGF原薬を供給する契約を締結しております。このため、引き続き、1ロットの生産量を増加する等のさらなる製法改良を継続し、量産供給体制を確立してまいります 。 ④ 財務体質の強化 当社は創薬バイオベンチャーであるため、研究開発費を補うための十分な収益を得るまでに長期の時間を要します。…
経営成績・財政状態の概況
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/ 原文長 約9000文字
3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況 製薬業界におきましては、高齢化に伴う医療費の増大に対応してジェネリック医薬品による代替が進むとともに、薬価改定期間が短縮され、高額医薬品の薬価が著しく低下しております。また、臨床試験の大規模化等に起因する新薬開発のためのコスト増大により、国内外での製薬企業の合従連衡が進みM&Aによる企業規模が拡大するとともに、自社創薬開発において重点領域の絞込みが行われており、社外から開発品目を導入する動きも活発化しております。 一方、新薬開発については、対象患者が多く、将来安定した多額の収益が得られるいわゆるブロックバスター医薬品から、特定の患者群に効果的な治療が行える医薬品の開発に移行しており、経営資源が特定分野に集中し、短期に意思決定が行われる創薬ベンチャーがその中心的役割を担うと言われております。これに対応すべく、政府は、厚生労働省や経済産業省の中央省庁を中心に、日本発の創薬を積極的に支援するため、特に、創薬ベンチャー支援の取り組みとして、医療系ベンチャー・トータルサポート事業(MEDISO)の開始や「伊藤レポート2.0 バイオメディカル産業版」が作成されております。また、日本国内での創薬を促進するため、医薬品の条件付き早期承認制度や先駆的医薬品指定制度が法制化されました。 また、新型コロナウイルスの感染拡大により製薬業界への社会的注目が増しているものの、製薬業界の経営資源が新型コロナウイルスに対するワクチンや治療薬開発に集中することによりその他の医薬品開発が治験を含めて遅延する傾向がみられます。 このような事業環境下、当社は、組換えヒトHGFタンパク質の研究開発によって創薬イノベーションを起こすことが事業機会の創出・獲得につながると考え、組換えヒトHGFタンパク質プロジェクトに経営資源を集中して、以下の各事業活動を展開しました。 1.医薬開発活動について (ア) 脊髄損傷(SCI)急性期 慶應義塾大学整形外科中村雅也教授を治験調整医師とする治験実施体制のもとで、 脊髄損傷急性期患者を対象として 第Ⅰ/Ⅱ相試験を実施し、安全性を確認するとともに有効性を示唆する結果を得ました。第Ⅰ/Ⅱ相試験で得られたPOC(プルーフ・オブ・コンセプト:研究開発中である新薬候補物質の有用性・効果が、ヒトに投与することによって認められること)を検証する目的で次の第Ⅲ相試験の計画を策定し、2020年6月9日付で医薬品医療機器総合機構(以下「PMDA」という。)に治験計画届書を提出しました。 2020年7月より第Ⅲ相試験を総合せき損センター、北海道せき損センター及び村山医療センターの3施設で開始しました。…
セグメント関連
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/ 原文長 約3980文字
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】 該当事項はありません。 (関連当事者情報) 1 関連当事者との取引 財務諸表提出会社と関連当事者との取引 財務諸表提出会社の役員及び主要株主(会社等に限る。)等 前事業年度(自 2019年10月1日 至 2020年9月30日 ) 種類 会社等の名称 又は氏名 所在地 資本金又 は出資金 (千円) 事業の内容 又は職業 議決権等 の所有 (被所有) 割合(%) 関連当事者 との関係 取引の内容 取引金額 (千円) 科目 期末残高 (千円) 主要株主 (法人) 日本全薬工業 株式会社 福島県 郡山市 170,000 動物用医薬品及び医療機器等の研究開発・製造・輸出入・販売、バイオ原薬受託製造 (被所有) 直接13.7 研究開発の 委託 研究開発品の製造委託及びその品質検査 (注2) 202,357 前渡金 未払金 3,749 33,388 第三者割当増資(注3) 300,000 (注) 1.記載金額のうち、取引金額には消費税等が含まれておらず、期末残高には消費税等が含まれております。 2.価格その他の取引条件は、市場実勢を勘案して当社が希望価格を提示し、価格交渉の上で決定しております。 3.2020年2月12日開催の取締役会において決議された第三者割当増資により、1株につき30,000円で当社株式10,000株を引き受けたものであります。 当事業年度(自 2020年10月1日 至 2021年9月30日 ) 種類 会社等の名称 又は氏名 所在地 資本金又 は出資金 (千円) 事業の内容 又は職業 議決権等 の所有 (被所有) 割合(%) 関連当事者 との関係 取引の内容 取引金額 (千円) 科目 期末残高 (千円) 主要株主 (会社等) 並びに役員及びその近親者が議決権の過半数を所有している会社(当該会社の子会社を含む) 日本全薬工業 株式会社 福島県 郡山市 170,000 動物用医薬品及び医療機器等の研究開発・製造・輸出入・販売、バイオ原薬受託製造 (被所有) 直接11.6 研究開発の 委託等 研究開発品等の製造委託及びその品質検査 (注2) 393,890 前渡金 未払金 28,128 55 (注) 1.記載金額のうち、取引金額には消費税等が含まれておらず、期末残高には消費税等が含まれております。 2.価格その他の取引条件は、市場実勢を勘案して当社が希望価格を提示し、価格交渉の上で決定しております。 2 親会社又は重要な関連会社に関する注記 該当事項はありません。 (1株当たり情報) 前事業年度 (自 2019年10月1日 至 2020年9月30日 ) 当事業年度 (自 2020年10月1日 至 2021年9月30日 ) 1株当たり純資産額 599.97円 578.…