事業の内容
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3 【事業の内容】 当社グループは、当社、国内連結子会社(エンバイオ株式会社)1社、海外連結子会社(孝仁生物控股(香港)有限公司、高金生物科技(上海)有限公司)2社及び 持分法適用関連会社 (味の素コージンバイオ株式会社)1社の計5社で構成されており、細菌検査用培地(注1)、体外診断用医薬品、細胞培養用培地の製造・販売、及び細胞加工の受託を主な事業として取り組んでおります。 当社及び当社の関係会社の事業における位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、以下に示す事業の区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントと同一であります。 組織培養事業 組織培養事業では、ヒト、動物、昆虫などの細胞を増殖させることを目的とした細胞培養用培地の開発・製造・販売をしております。細胞培養用培地は、アミノ酸、ビタミン、脂肪酸、微量金属、無機塩などから構成される溶液で、ヒトや動物の血液成分であるウシ血清(FBS)などを添加して使用する基礎培地と血清の添加を必要としない無血清培地に分類することができます。 基礎培地は、1960年代の細胞培養の研究の黎明期に開発された培地で、含有される成分のすべてが公開されていることがその特徴となります。こうした基礎培地は十数種類存在し、基礎研究を中心に世界中の大学、企業等で使用されております。一方、無血清培地は、1986年に狂牛病(BSE)の存在が確認されたことを受け、ウシ血清等を研究等に使用することへの安全性の確保が難しくなったことを背景に開発が進められた培地であります。基礎培地の組成が公開されているのに対し、無血清培地は各社の技術の粋を集めたもので、基本的に組成は非公開とされております。加えて、基礎培地は血清を添加することで、複数種類の細胞を培養できるのに対し、無血清培地は細胞の種類ごとに専用の培地が存在している点も基礎培地と無血清培地の大きな違いであります。 ウシ血清等を添加している基礎培地が安価であるのに対し、無血清培地は血清の代替として、高額な細胞増殖因子を添加しているため、価格帯は高額となります。しかしながら、血清を添加している基礎培地にはウイルスのコンタミネーション(注2)の懸念があるのに対し、無血清培地では、ウイルス等の外来因子の排除が可能なことから、高額であっても再生医療の研究開発に欠かせない製品となっており、当社としては無血清培地の開発と販売に注力しております。 これまでは、細胞培養用培地は研究用としての使用が主流でありましたが、近年では、再生医療分野や抗体医薬品の製造などにも多く使用されるようになってきたことから、その市場規模は数年間で急速に成長を続けており、さらに大きな市場に拡大していくと予想しております。…
経営方針・経営戦略・対処すべき課題
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(1) 経営方針及び経営環境 当社は、1981年4月に動物血液の販売と細菌検査用培地の製造・販売(微生物事業)から事業をスタートいたしました。市場のニーズに合わせ、1986年4月には細胞培養用培地の製造・販売(組織培養事業)を開始し、続いて、2014年11月の「再生医療等の安全性の確保等に関する法律(以下「再生医療等安全性確保法」という。) 」の施行に伴い、細胞加工事業を開始いたしました。「組織培養事業」「微生物事業」「細胞加工事業」の3つの事業展開に加え、それらの事業を組み合わせることによって生みだされるシナジー効果を事業に活用する点が当社の最大の特徴であり、優位性であると考えます。 組織培養事業と細胞加工事業の関係性について、細胞加工事業の競合他社においては、当社のような培地を製造する企業から培地を購入し、細胞を加工する必要があるのに対し、当社では自社製品の細胞培養用培地を細胞加工事業で使用することができるため、細胞加工業務の原価率を低く抑えることができ、収益性の向上に繋がります。また、細胞加工事業での自社培地使用により、その培地の性能に対するフィードバックを社内で速やかに得ることができ、組織培養事業における製品性能・品質の向上、及び改善につなげることができる点にあります。 組織培養事業と微生物事業の関係性については、組織培養事業は細胞、微生物事業は細菌と、培養するターゲットは異なりますが、一部の顧客については、細胞を培養し、同時にその環境における細菌汚染を確認するなど、同一顧客に別事業の製品の販売が可能となることがあります。また、多くの販売代理店では企業や大学、医療機関などを顧客とし、様々な試薬を幅広く扱っていることから、当社が持つ組織培養事業と微生物事業の両製品を取り扱っており、顧客基盤や販売網を共有できる点が単一の事業のみの競合他社と比較して、優位であると考えております。 市場の状況といたしまして、組織培養事業では、再生医療市場における細胞培養用培地は、長きに亘り研究用途での使用が主流でありましたが、近年では、再生医療の市場発展により臨床用途での使用という新たな需要が生まれております。また、抗体医薬品やワクチンの研究、製造など、産業用においても細胞培養用培地が大量に使用されるようになってきたことから、その市場規模は数年間で急速に成長を続けており、グローバルでさらに大きな市場へ拡大していくと予想しております。 細胞加工事業では、ここ数年、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、細胞加工の主要な患者層だったインバウンドによるメディカルツーリズムが減少いたしました。…
対処すべき課題
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(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 ① 人材の採用・育成 当社グループの主要事業である組織培養事業、微生物事業及び細胞加工事業においては、様々な専門スキルを有する人材が必要となっております。今後、市場の成長に伴う新規参入などによる更なる競争の激化が見込まれるなか、多様な専門人材の採用・育成が不可欠となっていることから、当社グループでは、グローバルな人材の確保に注力する方針であります。 また、組織規模の拡大・多様化に対応した会社組織としてのガバナンス、従業員サポート、教育の質的向上にも尽力してまいります。 ② 当社に対する行政処分について 2025年8月、当社が製造を行った特定細胞加工物等(以下「本製品」といいます。)について、本製品との関係が疑われる死亡事例(以下「本事例」といいます。)が発生したことを受けて、当社は再生医療等安全性確保法に基づく行政処分を受けました。対象クリニックとの再生医療等提供計画に関する本製品及び本製品と製造方法が類似していると考えられる再生医療等提供計画に関する特定細胞加工物等について当該クリニックに対する製造の一時停止等が命じられました。 2026年1月、当社は再生医療等安全性確保法施行規則に定める特定細胞加工物等製造事業者の遵守事項に関する違反を理由とする行政処分(以下「本行政処分」といいます。)を受けました。 当社は、本行政処分を厳粛に受け止め、必要な是正措置及び再発防止策を速やかに講じ、引き続き関係法令を遵守しながら、特定細胞加工物等の製造事業を継続してまいります。なお、本事例及び再生医療等安全性確保法第18条に基づく疾病等報告に係る事案については、現在も調査が行われておりますが、現時点では当社が製造した本製品との因果関係は確認されておりません。 当社は、既に関東信越厚生局からの指摘事項に関する改善に着手しており、特定細胞加工物等の製造供給を行いながら、是正措置や改善計画の策定・実施を進めております。
経営成績・財政状態の概況
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4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要 当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用環境の改善やインバウンド消費の持ち直しを背景に緩やかな回復基調が続いたものの、物価上昇による実質所得の伸び悩みや、輸出の鈍化などから、先行きには不透明感が残る状況で推移しました。 海外経済においては、米国では雇用・消費は底堅く推移した一方、金融政策の不透明感や通商政策の影響が意識されました。また、中東では米国とイランの武力衝突を背景に地政学的リスクが高まり、エネルギー価格や国際物流、金融市場の変動性が増すなど、世界経済全体に不確実性をもたらしました。 再生医療業界においては、iPS細胞や遺伝子治療を中心に研究開発及び臨床応用が引き続き活発に行われ、細胞培養用培地など基盤製品の需要は中長期的に拡大傾向を示しました。一方、前連結会計年度において需要が大きく拡大した感染症関連製品については、その反動減が顕在化しました。 このような経済状況の中で、当社グループは感染症対策や再生医療の発展のために、経営理念に掲げる「顧客第一主義・品質第一主義」のもと、全従業員がグループ全体の更なる成長とステークホルダーへの貢献に努めております。 当連結会計年度におきましては、組織培養事業では計画を上回る実績を確保した一方、微生物事業における感染症関連製品の反動減、並びに細胞加工事業におけるインバウンド患者数の低迷が、全社業績を押し下げる結果となりました。 当連結会計年度の 売上高は4,939百万円 (前年同期比 5.1%の減少 )となり、 営業利益は341百万円 (前年同期比 65.5%の減少 )、 経常利益は340百万円 (前年同期比 68.0%の減少 )、 親会社株主に帰属する当期純利益は251百万円 (前年同期比 68.4%の減少 )となりました。 セグメント別の経営成績は、以下のとおりであります。 (組織培養事業) 当連結会計年度における組織培養事業は、国内外で再生医療及び細胞治療分野の研究開発や臨床試験が継続的に進展したことを背景に、細胞培養用培地の需要が底堅く推移しました。特に、OEM培地の受注が好調に推移し、主要取引先向け販売の拡大が売上成長を牽引しました。 以上より、 売上高は2,539百万円 (前年同期比 11.9%の増加 )、 セグメント利益(営業利益)は946百万円 (前年同期比 23.7%の増加 )となり、組織培養事業は当社グループの中で最も安定した収益基盤として機能し、全社業績を下支えする結果となりました。…
セグメント関連
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(3) 報告セグメントに対して特定の資産は配分しておりませんが、減価償却費等の関連費用は配分しております。なお、減価償却費の調整額 15,746千円 には、報告セグメントに帰属しない管理部門に係る減価償却費が含まれております。 2.セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。 当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日 ) (単位:千円) 報告セグメント 調整額 (注)1 連結財務諸表 計上額 (注)2 組織培養事業 微生物事業 細胞加工事業 売上高 外部顧客との契約から生じる収益 2,539,559 1,424,690 974,775 4,939,025 4,939,025 外部顧客への売上高 2,539,559 1,424,690 974,775 4,939,025 4,939,025 セグメント間の内部 売上高又は振替高 2,539,559 1,424,690 974,775 4,939,025 4,939,025 セグメント利益又は損失(△) 946,460 △ 94,634 79,945 931,771 △ 590,234 341,536 その他の項目 減価償却費 74,459 136,920 113,339 324,719 70,120 394,839 (注) 1.調整額は、以下のとおりであります。