事業の内容
抜粋表示
/ 原文長 約5632文字
3 【事業の内容】 当社は、再生医療・細胞治療を目的とした、「さい帯血」や「さい帯」等の周産期組織由来の細胞バンク事業及び、それらの細胞を利用した、新たな治療法、再生医療等製品の開発、そしてこれらの事業基盤をベースにした再生医療・不妊治療・出産・子育て等の領域での事業開発及び投資等の事業展開を行っております。 なお、当社は「細胞バンク事業」の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を行っていません。 (1)さい帯血バンクについて 「さい帯血」は、お母さんと赤ちゃんをつないでいる、へその緒や胎盤の中に含まれている赤ちゃんの血液であります。さい帯血を保管する「さい帯血バンク」には、「公的さい帯血バンク」と「民間さい帯血バンク」があります。公的さい帯血バンクでは、造血幹細胞移植法に基づきお母さん達から「無償」でさい帯血の提供を受け、白血病等の病気で移植治療を必要とする患者さん(第三者)のために保管しております。2022年3月31日現在、厚生労働大臣の許可を受けた公的さい帯血バンクは全国に6ヵ所あります。 民間さい帯血バンクでは、「本人や家族」が、将来何らかの治療(主に脳性麻痺や自閉症等への再生医療)に使うことができるようになる可能性を想定し、「有償」で、さい帯血の保管を行っております。 民間さい帯血バンクは、公的さい帯血バンクと違い許可制ではありませんが、厚生労働省(健康局)へ「臍帯 血取扱事業の届出」の提出を要請されており、同届出を行っている民間さい帯血バンクは、当社を含めて2社であり、当該2社のさい帯血保管総数は64,851件、当社の保管総数は64,063件(厚生労働省健康局「臍帯血の引渡し実績等に関する報告」より(2021年3月31日時点。)となっております。 2022年3月31日現在、日本国内において、自己にさい帯血を投与(使用)するためには、対象疾患毎に、「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」(以下、「再生医療等安全性確保法」という)に基づき、「第2種再生医療等(体性幹細胞など中リスクのもの)」として、臨床研究提供計画を「特定認定再生医療等委員会」(注1)に提出し、審査を受け、承認された後、厚生労働大臣へ同提供計画を提出の上、実施する必要があります。 また、2022年3月31日現在、当社における顧客への再生医療等での利用目的(臨床研究における投与も含む)の引渡件数は21件、研究(モデルマウス等での治療効果の検討)目的の引き渡し件数は95件となっております。 (出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/ bunya /kenkou_iryou/kenkou/ishoku/saitaiketsu.…
経営方針・経営戦略・対処すべき課題
抽出本文
/ 原文長 約529文字
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針 当社は、コーポレートスローガンでもある、「あたらしい命に、あたらしい医療の選択肢を。」を実現するために、周産期の組織に由来する幹細胞を中心とした「細胞バンク事業」のノウハウの蓄積・技術開発・サービスの向上に努めて参ります。 そして、細胞バンクに保管されている細胞を用いて「新しい医療」を提供しようと日々努力を重ねられている医師や研究者の方々と協力し、これまで治療法のない病態に苦しむ患者さんに寄り添い、医療の発展に寄与する事を目標としております。 また、当社独自の、細胞バンク事業のネットワークを基盤とした新たなビジネスモデルの構築による収益拡大に取り組んでおります。 (2) 目標とする経営指標 当社は、「細胞バンク事業」の単一セグメントのため、事業の状況を的確かつ容易に把握する上で、年間保管(売上)検体数をベンチマークとしております。年間保管(売上)検体数増加を目指し、事業規模拡大に努めて参ります。また「細胞バンク事業」の安定した運営のため、内部留保を充実させ、自己資本比率を高めて参ります。
対処すべき課題
抜粋表示
/ 原文長 約1611文字
(4) 経営環境及び対処すべき課題 ① 経営環境について 近年の再生医療分野の発展は目覚しく、さい帯血についても米国を中心に臨床研究が進展しております。米国デューク大学においては、脳神経疾患に対するさい帯血投与の第Ⅱ相臨床研究が終了し、良好な結果が発表され現在ではFDA(米国食品医薬品局)承認のもと、2017年10月より「拡大アクセス制度」(注)がスタートし、2021年9月までに464名の患者さんが治療を受けられております。日本国内でも、2014年に再生医療等安全性確保法が施行され、当社のような事業会社が臨床研究に参加する仕組みが整えられた事から、さい帯血等を利用した臨床研究が開始され、さい帯血等の体性幹細胞の医療応用のニーズは高まってきております。 当社としては、国内のさい帯血を用いた臨床研究を推進し、さい帯血の保管の意義を訴求しております。また、さい帯血のみならず、さい帯由来の間葉系細胞を用いた研究開発も世界的に着実に進展しており、さらには、さい帯由来間葉系細胞そのものではなく、それらが分泌する因子(生理活性物質)を用いた医療開発も近年では活発に行われております。このように多様化するさい帯由来間葉系細胞の応用は今後ますます進むと考えられ、さい帯組織の保管の必要性が高まるものと予想されます。当社は2021年4月よりさい帯保管事業を開始しており、将来のさい帯の医療化に備えた保管を訴求しております。当社としては、さい帯由来間葉系細胞及びその培養因子の研究開発を積極的に行い、いち早く臨床応用すべく推進しております。 ② 事業上及び財務上の 対処すべき課題について 当社は、コーポレートスローガンでもある、「あたらしい命に、あたらしい医療の選択肢を。」を実現するために、前項の経営戦略を推進するにあたり、下記の4点を課題と捉え対処して参ります。 ・当社は、周産期の組織に由来する幹細胞を中心とした「細胞バンク事業」を主事業としております。この「細胞バンク事業」において、さい帯血の保管については、厚生労働省健康局より、「臍帯血取扱事業の届出」の提出を要請されており、当社は今後も同省と協議しながら、適切に事業運営を行って参ります。 ・当社の主事業である「細胞バンク事業」においては、近年その需要が急激に高まってきており、当社は2021年3月に新たな細胞処理センター(横浜市)を増設いたしました。今後も2021年4月に開始した「さい帯(へその緒)保管サービス」を含めた、出産に由来する組織由来の細胞(周産期組織由来細胞)等の採取、保管事業の拡大に備え、細胞処理能力、細胞保管能力の増強を行って参ります。 ・当社では、人員の増強、組織の強化が重要な経営課題の一つと捉えております。…
経営成績・財政状態の概況
抜粋表示
/ 原文長 約2908文字
3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況 当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況 当事業年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症による社会・経済活動への影響が継続いたしましたが、当社におきましては、昨年度より実施している、デジタル・マーケティング活動の強化、そして、昨年4月より新たに開始した、日本初の「さい帯保管サービス」が寄与し、過去最高の売上高を計上いたしました。そして、今後の検体数の増加を見据えて、今期既に従来の3倍の規模に対応できる横浜細胞処理センター及び第二保管センターを稼働させ、今後の更なる業績の拡大に対する備えを行っております。 再生医療分野での研究開発につきましては、日本国内においては、高知大学医学部附属病院や大阪公立大学医学部附属病院等における「さい帯血」による、小児神経疾患を対象とした臨床研究が、また米国においては、デューク大学での第Ⅱ相臨床研究の成果を受け、「さい帯血」により、脳性麻痺等の治療を行う専門クリニックの設立が進められる等、大きく進展しております。 また、引き続き、東京大学医科学研究所及び東京大学医学部附属病院との小児形態異常等の先天性疾患に対する「さい帯」を用いた治療法の開発、大阪大学大学院医学系研究科との「さい帯」を用いた新たな半月板治療法の開発等、再生医療分野でのアカデミアとの共同研究にも注力しております。 これらの活動の結果、当事業年度における売上高は、過去最高の 1,781,943千円 と前年同期と比べ 372,428千円 (前事業年度比 26.4%)の増収 、営業利益は、 226,952千円 と前年同期と比べ 140,072千円 (同 161.2%)の増益 となりました。また、当社は、2021年6月25日に東京証券取引所マザーズ市場(市場区分の変更により現在はグロース市場)に上場し公募増資を行いました。それに伴い株式交付費 6,219 千円、株式公開費用 9,378 千円を営業外費用に計上した結果、経常利益は、 212,554千円 と前年同期と比べ 120,146千円 (同 130.0%)の増益 、当期純利益は、 133,726千円 と前年同期と比べ 71,355千円 (同 114.4%)の増益 となっております。 なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等の適用により、売上高 、営業利益、経常利益及び税引前当期純利益はそれぞれ7,691千円増加しております。 総資産は 5,215,602 千円となり、前事業年度末に比べ 1,257,109 千円(同 31.…
セグメント関連
抽出本文
/ 原文長 約72文字
【セグメント情報】 当社の事業セグメントは、細胞バンク事業のみの単一セグメントであり重要性が乏しいため、セグメント情報の記載を省略しております。
主要な顧客・販売先
抜粋表示
/ 原文長 約3375文字
2.販売実績の3つの構成の「技術料」、「保管料」、「その他」別の売上は次のとおりであります。 構成 販売高(千円) 前年同期比(%) 技術料 1,353,709 129.8 保管料 322,104 111.8 その他 106,129 135.0 合計 1,781,943 126.4 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項については、本書提出日現在において判断したものであります。 ① 重要な会計方針及び見積り 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成されております。財務諸表の作成にあたっては、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、これらについては、過去の実績や現在の状況等を勘案し、合理的と考えられる見積り及び判断を行っております。ただし、これらには見積り特有の不確実性が伴うため、実際の結果と異なる場合があります。 なお、当社が財務諸表を作成するにあたり採用した重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載のとおりであります。 ② 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 当社の目標とする経営指標は、年間保管(売上)検体数と営業利益率であります。 経営成績の分析 (売上高) 当事業年度の売上高は、前事業年度に比べ 372,428千円増加 の 1,781,943千円 (前事業年度比 26.4%増 )となり ました。これは主に、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により活動が制限される状況下において、さい帯血採取協力産科施設で開催される母親学級の開催中止・開催自粛が継続されましたが、Web広告をはじめとするインターネットを通じたマーケティング活動( Web広告、SEO対策、SNSの3つの柱) を深耕し、更に産科施設へはパンフレットの配布等の協力を頂くなど、当社サービスの認知度向上に努め、「細胞バンク事業」の拡大に注力したこと、そして、当事業年度より「さい帯保管サービス」を開始した影響によるものであります。この結果、今期の目標売上検体数はさい帯血7,120検体に対し、実績はさい帯血6,907検体、さい帯1,511検体となりました。 (売上原価、売上総利益) 当事業年度の売上原価は、前事業年度に比べ 185,378千円増加 の 670,686千円 (同 38.2%増 )となりました。これは主に 、さい帯血の分離処理検体数が増加したことによるものであります。この結果、当事業年度の売上総利益は、前事業年度に比べ 187,049千円増加 の 1,111,257千円 (同 20.…