事業の内容
抜粋表示
/ 原文長 約4702文字
3 【事業の内容】 当社は「人とコンピューティングの力で世界平和に貢献する」の経営理念の下、「人の創造力とコンピューティングを融合させ未来をつくる企業になる」ことをビジョンに、「研究者には研究する力、開発者には製品を開発する力を提供すること」をミッションに掲げ、人類の難題に挑戦している研究者や開発者に寄り添い、知恵、努力、コミュニケーションとコンピューティングを通じてそれぞれが抱えている課題に共に取り組んでおります。 当社の役割実現のため、専門的な知見を求められる科学技術計算用コンピュータ事業(HPC事業)と安定的で信頼性の高い製品供給を求められる産業用コンピュータ事業(CTO事業)の2つの事業を展開しております。 当社の事業における位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、事業の区分内容は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表注記事項」に掲げるセグメントと同一の区分であります。 (1) HPC事業 HPC事業は、科学技術計算用コンピュータに関連するソリューションの提供を行っております。科学技術計算用コンピュータは、高性能コンピュータを駆使して科学技術における問題を計算によって解決する計算科学という分野で使用されておりますが、計算科学は、理論や実験と並ぶ第三の研究手段に数えられるまでに発展してきております。その中で当社は、計算科学の手法を用いて「理論化学」の問題を取り扱う「計算化学」という分野に強みを持っており、中でもライフサイエンス(生命科学)とマテリアルサイエンス(材料科学)分野を重点事業領域と位置づけ、コンピュータ上で高精度に計算した材料データベースやAI等を活用して材料開発を行うマテリアルズ・インフォマティクスのアプリケーション開発に力を入れております。 当社が提供するHPCシステムインテグレーションは、従来のシステム開発業者等が行っている業務系システムやERPシステム等の構築といったITサービスとは領域が異なっており、科学技術計算、モノ作りにおける流体構造シミュレーション、創薬や材料開発に必要な計算化学、ディープラーニング、AI解析、ビッグデータ解析等、顧客の使用目的に応じた知見を必要とする領域に対するシステムインテグレーションであります。こうしたHPCシステムインテグレーションの他にも、科学技術計算用高性能コンピュータの販売、ソフトウェアプログラムの開発・販売、受託計算・研究開発支援及び導入後のサポートまでをワンストップでトータルに行う体制を構築しております。…
経営方針・経営戦略・対処すべき課題
抽出本文
/ 原文長 約1106文字
(2) 経営戦略等 当社は、HPC事業とCTO事業の二つの事業に取り組んでおり、これらの事業を拡大させることが、当社の更なる成長と発展のために必要であると認識しております。そのために顧客志向を徹底し、顧客が実現したいことや課題を解決するために、当社が用意した3つの強力なソリューション・ツールが互いに掛け合わされて3乗の効果で発揮する「 S 3 as a Service 」(Sキューブソリューション as a Service)という独自のソリューションサービス戦略を展開してまいります。当社は、「 S 3 as a Service 」を提供することで、研究者や開発者に徹底的に寄り添ってまいります。 なお、新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、現時点で終息時期を予測することが困難であり、顧客における経済活動自粛に伴う設備投資の延期や、商談期間の長期化等による当社業績への影響を注視していく必要があると考えております。 S 3 as a Service (Sキューブソリューション as a Service) ① System as a Service HPC SIサービス、AI/ディープラーニング SIサービス、CTOサービス、アプライアンス顧客のニーズに沿って最適化されたシステム(ハードウェア及びソフトウェアプログラム)を提供する(HPC分野及び産業用コンピュータ分野) ※アプライアンス:特定の機能や用途に特化した専用機器 ※SI:システムインテグレーション ② Science as a Service 計算科学/計算化学ソリューション 計算科学分野では、主に自社開発の計算技術ノウハウを提供する (セミナー、計算支援、研究支援、技術支援 、プログラム高速化サービス等) ③ Science as a Cloud サイエンスクラウドサービス 高スペックのコンピュータをベアメタル(OSなどソフトウェアプログラムがインストールされていないサーバ)で提供する一般的なクラウドサービスとは異なり、アプリケーションごとに最適化された計算環境とストレージ環境と世界でオンリーワンのソフトウェアプログラム群(デファクトスタンダードな計算科学又は計算化学用ソフトウェアプログラム及び当社のオリジナルソフトウェアプログラム)で構成された、顧客ユーザにとって使い勝手のよい計算環境のクラウドサービスを提供する (3) 目標とする経営指標 当社は、事業拡大、企業価値向上を目指し、売上高成長率、営業利益成長率を重要な経営指標と位置付けており、これらを中長期的に成長させていくことを基本的な考え方としております。
対処すべき課題
抜粋表示
/ 原文長 約1561文字
(4) 対処すべき課題 ① 成長分野への対応 最新のICT(情報通信技術)分野では、 AI や機械学習の本格導入が始まり、関連市場が成長期に移行しつつあると考えております。当社がHPC事業にて推進している計算科学分野でも、 AI 技術を活用した研究開発活動がさまざまな課題解決に向けて広がりを見せるとともに活発化しています。又、5Gサービスの開始により多くの産業分野や社会基盤に関わるところで本格的なIoTの実現と成長が見込まれており、エッジコンピューティングと親和性の高いCTO事業の拡大が見込まれています。 このように当社は、最先端のコンピューティング技術を活用したサービス展開を追求しています。そのために、AI、エッジコンピューティングといった最先端のコンピューティングにまつわる技術を関連技術とともに常に捕捉し、新しい技術を研究・獲得し、社内共有することで新たなサービスの開発へと結び付けていく必要があります。 最近ではCTO事業の顧客企業の製造現場においても、AI、特にディープラーニングといった従来であれば HPC事業に属するニーズも出てきております。つまり、AI、ディープラーニングやエッジコンピューティングといった最先端のコンピューティング技術においては、当社の両事業の垣根を越えた体制が必要となる可能性が考えられますので、当社では、まず両事業の技術部門のコミュニケーションの強化を図る方針であります。既にCTO事業の産業用コンピュータの開発段階において、HPC事業のAI等に関する先端技術情報を共有し、産業用コンピュータの開発段階に組込むことでCTO事業の顧客企業の製造現場のニーズに応えております。このように先端技術情報の共有を図り、成長分野における新しい商機への対応を図ってまいります。 ② 優秀な人材の確保 継続的な成長の原資である人材は、当社にとって、最も重要な経営資源と認識しております。当社の技術開発力やサービス企画力及び販売力を維持し、継続的に発展、強化していくために、優秀な社員を継続的に雇用し、その成長の機会を提供し、かつ事業規模を拡大させていくための人材を獲得する方針であります。 ③ 従業員の意欲、能力の向上 当社は、従業員に対し目標管理制度を導入しております。目標の設定など査定方法を明確化し、従業員の評価の適正化を図るとともに、急速なIT技術の進歩にあわせて、この変革のスピードに対応できるような人材を育成していく体制を整えることも急務であると考えております。今後はそれらを見据え、従業員一人一人への適正な評価、研修の実施や各種資格取得の推奨・補助を行うことを通じて、能力の向上を図っていく方針であります。…
経営成績・財政状態の概況
抜粋表示
/ 原文長 約3473文字
3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態の状況 (資産) 当事業年度末における流動資産は3,006,712千円となり、前事業年度末と比べ582,351千円増加いたしました。これは主に現金及び預金が331,043千円、たな卸資産が147,954千円、前渡金が103,433千円増加したことによるものであります。固定資産は274,817千円となり、前事業年度末と比べ44,972千円増加いたしました。これは主に関係会社株式が21,540千円、機械及び装置が15,573千円、繰延税金資産が12,043千円増加したことによるものであります。 以上の結果、総資産は3,281,530千円となり、前事業年度末に比べ627,324千円増加いたしました。 (負債) 当事業年度末における流動負債は1,286,216千円となり、前事業年度末と比べ141,655千円増加いたしました。これは主に短期借入金が100,000千円減少したものの、買掛金が94,312千円、未払法人税等が79,487千円、1年内返済予定の長期借入金が65,412千円増加したことによるものであります。固定負債は263,151千円となり、前事業年度末と比べ208,838千円増加いたしました。これは長期借入金が208,838千円増加したことによるものであります。 以上の結果、負債合計は1,549,367千円となり、前事業年度末に比べ350,493千円増加いたしました。 (純資産) 当事業年度末における純資産合計は1,732,162千円となり、前事業年度末と比べ276,831千円増加いたしました。これは主に自己株式の取得200,124千円があったものの、当期純利益447,082千円計上した他、新株予約権の行使により資本金及び資本準備金がそれぞれ15,404千円増加したことによるものであります。 ② 経営成績の状況 当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大により個人消費・企業活動が停滞し、世界的にはワクチン接種普及による明るい兆しはあるものの、わが国においては新型コロナウイルス感染者数の増加を受け、緊急事態宣言の発令が度重なる等、依然として先行きは不透明な状況となっております。 新型コロナウイルス感染症拡大の影響については、移動制限など事業活動にさまざまな制約が加わり、受注獲得までの商談期間が従来より延びてはいるものの、顧客需要は底堅く推移しており、部品の調達も大きな支障なくできていることから、当社業績への影響は比較的軽微でありました。…
セグメント関連
抜粋表示
/ 原文長 約4157文字
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】 前事業年度(自 2019年7月1日 至 2020年6月30日 ) 該当事項はありません。 当事業年度(自 2020年7月1日 至 2021年6月30日 ) 該当事項はありません。 (関連当事者情報) 前事業年度(自 2019年7月1日 至 2020年6月30日 ) 記載すべき重要な事項はありません。 当事業年度(自 2020年7月1日 至 2021年6月30日 ) 財務諸表提出会社の親会社及び主要株主(会社等に限る)等 種類 会社の名称 又は氏名 所在地 資本金又 は出資金 (百万円) 事業の内容又は職業 議決権等の 所有(被所有)割合 関連当事者との関係 取引の 内容 取引金額 (千円) 科目 期末残高 (千円 ) 主要株主 (法人) 菱洋エレク トロ㈱ 東京都 中央区 13,672 半導体/デバイスの 販売等 被所有 直接7.3% 間接7.0% 原材料の 仕入等 原材料 の仕入 408,424 買掛金 34,220 (注)1.菱洋エレクトロ株式会社が間接保有する当社株式は、退職給付信託として信託設定したものであり、議決権については菱洋エレクトロ株式会社が指図権を留保しております。 2.価格等の取引条件は、市場の実勢価格等を参考にして、交渉により決定しております。 3.取引金額には消費税等が含まれておらず、期末残高には消費税等が含まれております。 (1株当たり情報) 前事業年度 (自 2019年7月1日 至 2020年6月30日 ) 当事業年度 (自 2020年7月1日 至 2021年6月30日 ) 1株当たり純資産額 353.00円 416.90円 1株当たり当期純利益 75.37円 107.87円 潜在株式調整後1株当たり当期純利益 71.06円 104.06円 (注) 1.当社は、2019年7月10日付で普通株式1株につき500株の割合で株式分割を行っております。そのため、前事業年度の期首に当該株式分割が行われたと仮定して、1株当たり純資産額、1株当たり当期純利益及び潜在株式調整後1株当たり当期純利益を算定しております。 2.1株当たり当期純利益及び潜在株式調整後1株当たり当期純利益の算定上の基礎は、以下のとおりであります。…
主要な顧客・販売先
抜粋表示
/ 原文長 約2431文字
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10以上の相手先がないため記載を省略しております。 3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。 ① 重要な会計方針及び見積り 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者により会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。 (たな卸資産(原材料)の評価) 当社の貸借対照表において、「原材料及び貯蔵品」311,025千円計上しており、そのうち原材料は309,357千円で総資産の9.4%を占めております。これは製品の製造に必要な部品について、勘定科目上「原材料」として計上しております。(重要な会計方針)3.たな卸資産の評価基準及び評価方法に記載のとおり、原材料の貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切り下げの方法により算定しております。 製品の受注見込みに基づいて一定数量の原材料(部品)調達を行うことを原則としておりますが、急激な部品価格の高騰や供給不足等に備えて先行して調達を行うこともあります。当該部品等については、技術革新により陳腐化する可能性や原材料(部品)の滞留により収益性が低下する可能性があります。これらの不確実性に対し貸借対照表価額を正味売却価額まで切り下げる方法に代えて、社内ルールに基づき一定の保有期間を超える場合、規則的に帳簿価額を切り下げる方法により、収益性の低下の事実を適切に貸借対照表に反映しております。 ② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 当事業年度の経営成績等については、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う経済活動の停滞により、第1四半期会計期間の業績は低調であったものの、第2四半期会計期間以降は急速に業績が回復して過去最高の結果となりました。HPC事業においては、大学等公的研究機関の受注増加や案件規模が拡大した他、民間企業向けの受注も底堅く推移しました。CTO事業においては、継続顧客である医療機関における設備投資の手控え等があったものの、大手小売業向けの新規大口案件獲得や半導体関連産業向け販売の回復等がみられました。…