事業の内容
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3【事業の内容】 (1) 事業環境 医薬品産業の成長を支える新薬創出は、従来の化学合成による低分子医薬品から、抗体医薬品を中心とするバイオ医薬品、更には細胞医薬・遺伝子治療薬等の新規創薬モダリティへと大きく移行しています。この技術革新により、従来治療が困難であった疾患に対する新たな治療薬が次々と開発され、グローバルな医薬品売上高における上位半数以上をバイオ医薬品等が占めるようになりました。また、創薬モダリティの多様化に伴い、現在では新薬創出の80%をバイオベンチャーが担う等、医薬品産業におけるバイオベンチャーの重要性は世界的に増しております。 このようにして生み出された治療薬が多くの患者様の健康に寄与している一方で、技術の高度化や医薬品開発の複雑化等により、研究開発期間の長期化や開発費・製造費の増加が進んでいることが課題となっています。これに伴い、新たに開発された医薬品の薬価が上昇し、医薬費全体の増加を招いている状況があり、このような医薬費抑制への対応策として、日本を含む多くの国々においては、低分子医薬品の後発品であるジェネリック医薬品の使用が広く普及しています。また、バイオ医薬品についても、先行品の特許期間・再審査期間の満了時期を今後順次迎えることから、その後続品であるバイオ後続品(バイオシミラー)の普及が進むことが期待されております。 (2) 当社グループの事業モデル 当社グループは、当社において、バイオシミラーの開発及び開発品上市後の原薬・製剤(以下、「バイオシミラー原薬等」)の供給を行う「バイオシミラー事業」、当社100%子会社の株式会社S-Quatre(以下、「エスカトル」)において、エスカトルが独自開発した乳歯歯髄幹細胞(以下、「SQ-SHED」。SHED(シェド)はStem cells from Human Exfoliated Deciduous teethの略)を活用した再生医療等製品の実用化を目指す「細胞治療事業(再生医療)」の2事業に取り組んでおります。なお、有限な経営資源を戦略的かつ集中的に投下するという経営方針に基づき協議した結果、創業来の事業であったバイオ新薬事業については、2023年度以降、既に取得済みの研究成果を基に外部機関における研究活動を更に進めるための事業開発活動に専念しております。 なお、当社グループは、以下の2点を特長とした事業活動を行っております。 ① ハイブリッド事業体制 当社グループは、バイオシミラー事業と細胞治療事業(再生医療)の組み合わせによるハイブリッド事業体制を採用しています。 バイオシミラー事業においては、2012年以降パートナー製薬企業と共に4製品を上市し、既にバイオシミラー原薬等の供給による持続的な収益を生み出しています。…
経営方針・経営戦略・対処すべき課題
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(1) 経営方針 当社グループは、「バイオで価値を創造する-こども・家族・社会をつつむケアを目指して-」を企業理念に、「こどもの力になること、こどもが力になれること」を経営ビジョンとして掲げ、これまでの事業活動で得てきたバイオ医薬品の研究開発に関するノウハウ等を最大限活用し、2つの事業領域において研究開発を推進しています。 バイオシミラー事業では、より多くの患者様が安心して継続的な治療が受けられる環境の実現を目指しています。また、細胞治療事業(再生医療)においては、特に小児疾患や希少疾患に苦しんでおられる患者様やそのご家族、更には治療に携わる医療従事者の方々を支える革新的な治療法の開発に取り組んでいます。 (2) 経営環境 「第1 企業の概況 3 事業の内容 (1)事業環境」に記載しております。 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 バイオ医薬品の研究開発には膨大な時間と費用を必要とし、収益計上ができるようになるまでの期間が非常に長いため、短期的な経営指標による実績評価を行うことは一般的に適していません。そのため、当社グループにおいては、研究開発型バイオベンチャーとして、バイオシミラー事業及び細胞治療事業(再生医療)のそれぞれの事業特性に応じた中長期的かつ客観的な経営指標を設定しています。 バイオシミラー事業においては、既に4製品が上市されており、パートナー製薬企業へのバイオシミラー原薬等の供給による販売収益、及びパートナー製薬企業の販売実績に応じたロイヤリティ収益を売上高として計上しています。一方で、「安定と成長の両立」の実現のためには、当該事業の更なる成長と安定的な収益獲得に向けて、上市済みバイオシミラーの安定供給体制強化及び収益性改善のための追加開発投資、そして継続的な新規バイオシミラー開発投資が欠かせません。そのため、バイオシミラー事業においては、効率的な開発投資の実行と、収益と開発投資のバランスを取ることを目的として、当該事業単独での継続的な営業黒字を経営指標として定めています。 一方で、細胞治療事業においては、研究開発投資が先行する事業ステージにあることから、開発品ごとに研究開発費用及び中長期的な開発計画を策定し、その進捗・達成状況を経営指標としています。 なお、バイオシミラー事業と細胞治療事業を含む当社グループ全体としては、事業の着実な推進と安定的な連結営業黒字化の実現を目指し、構造改革等を通じた事業間の連携強化、業務効率化、人的資源の最適化等にも取り組んでいます。
対処すべき課題
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/ 原文長 約2991文字
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 ① 上市済みバイオシミラーの安定供給体制の構築及び収益性の改善と、新規バイオシミラーの開発 バイオシミラー事業において、当社は上市済みバイオシミラーの原薬等をパートナー製薬企業に供給しておりますが、一部製品では需要が当初想定を大幅に上回って推移しており、安定供給を維持するためには、供給体制の再構築と運転資金の最適化が課題となっています。また、日本の薬価制度では、上市時のバイオシミラーの薬価は原則として先行品の70%に設定される上、医療機関との価格交渉等を受け、年次の薬価改定においてその薬価は頻繁に下落します。加えて、原薬製造を委託している海外市場における物価上昇や為替市場における円相場の下落 が製造費 用を上昇させ、当社の利益率に影響を及ぼしています。これらに対応し収益性を改善するためには、原価低減策の推進やバートナー製薬企業に対する供給価格等の調整も必要です。 既存バイオシミラーの安定供給維持及び収益性向上と並行して、バイオシミラー事業の更なる成長に向けては、これまでの開発・製造経験を通じて得たノウハウ等を活用して、新規バイオシミラーの開発にも注力する必要があります。既に、新規バイオシミラーの開発については、上述のとおりカイオムとMBIとの間でMaster Service Agreementを締結し、新規バイオシミラーの細胞株構築に着手しております。 更に、安定供給体制の強化に向けては、バイオシミラーの開発から製造・供給までをカバーする国内初のサプライチェーン構築と安定供給の実現を見据え、昨年よりアルフレッサ ホールディングス及びカイオムとの協議を開始し、加えて当社の取引先でバイオシミラーを含むバイオ医薬品の製造及び製造施設の整備に豊富な実績を有する台湾のCDMOであるMBIとも協業の可能性について協議を進めてまいりました。その後、上述のとおり厚生労働省「医療施設等施設整備費補助金(バイオ後続品国内製造施設整備支援事業)」に採択されたことを受け、同補助事業の目的であるバイオシミラーの原薬・製剤製造施設の国内候補地での整備を通して、国内産のバイオシミラーを安定供給できる体制構築に向けて取り組んでまいります。 また、事業価値最大化に向けては、日本市場への依存からの脱却も重要な課題です。上市済み及び新規バイオシミラーのいずれについても、売上拡大と製造規模の拡大による製造単価の低減、海外売上高と海外製造費の両立による為替変動リスクの緩和を目指し、パートナー製薬企業との協業を通じた海外市場への展開にも積極的に取り組みます。今後も限られた資金と人財をより効率的に活用し継続的な成長を実現できる事業モデルへの変革を推進してまいります。…
経営成績・財政状態の概況
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/ 原文長 約5079文字
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 なお、当社グループは、当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前連結会計年度との比較分析は行っておりませんが、参考情報として一部、前年同期の提出会社個別の財務諸表との比較を記載しております。 ① 経営成績の状況 当社グループの連結業績につきましては、売上高5,082,053千円、研究開発費767,877千円、営業利益27,882千円、経常利益5,187千円、親会社株主に帰属する当期純損失21,140千円となりました。 バイオシミラー事業においては、バイオシミラーの需要拡大を踏まえ、原薬等の製造及び納品スケジュールについて継続的にパートナー製薬企業及びCDMOと調整を重ねた結果、予定通りに製造及び納品を完了いたしました。また2023年度以降、一部製品で製造運転資金の効率化を目的に実施していた支払い条件変更に伴い、製造原価部分を除いた粗利益相当額のみを売上高に計上処理しておりましたが、当第3四半期末には通常の支払い条件に戻り当該影響が減少されました。更に、海外での物価上昇及び円安により増加した製造費用について、バイオシミラーの販売を担うパートナー製薬企業との供給価格改定交渉の一部が奏功した結果、売上高は前年同期比で大きく伸長いたしました。また、細胞治療事業においては、エスカトルが開発を進めている脳性麻痺を対象とした再生医療等製品(開発コード:GCT-103)について、持田製薬との共同事業化契約の締結により契約一時金を受領しています。一方で、研究開発活動の進捗及び事業性に基づく開発品の優先順位の見直しと、研究開発費の適正化に加え、一部費用の計上が2025年度以降にずれ込んだ結果、研究開発費は前年同期比で大きく減少しています。 以上から、バイオシミラー事業の売上高増加と利益率改善、細胞治療事業での契約一時金受領、及び研究開発費の減少が寄与し、当グループ連結での営業利益並びに経常利益は、上場後初となる全社ベースでの黒字化を達成いたしました。一方、最終的な親会社株主に帰属する当期純利益については、バイオシミラー事業の黒字拡大による税金費用等の増加が影響し、依然赤字の状況となっております。しかしながら、バイオシミラー事業単体を指す当社単体決算においては、引き続き黒字を確保している状況です。 当連結会計年度における各事業の進捗状況は以下のとおりであります。…
セグメント関連
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/ 原文長 約111文字
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】 当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) 当社グループの事業セグメントは、医薬品開発事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。
主要な顧客・販売先
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/ 原文長 約3035文字
2.当連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。 相手先 当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) 販売高(千円) 割合(%) 千寿製薬㈱ 2,832,962 55.7 持田製薬㈱ 1,652,622 32.5 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する分析・検討内容 当連結会計年度における当社グループの経営成績は、売上高5,082,053千円(前年比109.03%増)、営業利益27,882千円(前年は1,335,597千円の営業損失)、経常利益5,187千円(前年は1,389,601千円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損失21,140千円(前年は1,422,078千円の純損失)となり、収益性が大幅に改善しております。なお、前年(2024年3月期)の数値は非連結決算であり、参考値として扱っています。 売上高は前年の2,431,236千円から2,650,817千円増加し、5,082,053千円となりました。主な要因は、バイオシミラー事業におけるGBS-007及びGBS-010の需要増に対応する形で原薬等の製造・納品が計画通りに完了したこと、更にパートナー製薬企業との供給価格等の調整が進んだことによるものです。加えて、細胞治療事業(再生医療)においては、持田製薬との共同事業化契約の締結により契約一時金を獲得したことが売上高増加に寄与しています。 営業利益は、前年の営業損失1,335,597千円から1,363,479千円改善し、27,882千円の営業利益を計上しました。これは売上高の増加要因に加え、研究開発活動の優先順位見直しによる支出の適正化や、一部費用の翌期以降への計上繰越が影響しております。なお、営業利益の黒字化達成は当社の上場来初であり、2023年度以降の経営改革、事業構造改革の成果が明確に表れたものと考えております。 経常利益も同様に、前年の経常損失1,389,601千円から1,394,788千円改善し、5,187千円の黒字を計上しました。営業利益の改善に加え、財務費用の抑制や為替差損の縮小等が寄与しています。 親会社株主に帰属する当期純利益は、前年の当期純損失1,422,078千円から1,400,938千円改善し、当期純損失21,140千円まで赤字幅が縮小しました。…